振袖
#選び方#マナー#着こなし
2023.10.02

「両家の顔合わせ」や食事会などで振袖を着るときのマナーや注意点を解説

結婚するふたりを中心に両家の家族が集まって、食事をするなどして親睦を深める「両家の顔合わせ」。せっかくのお祝いの席だから華やかな振袖を着てみたい!ここでは「両家の顔合わせ」で振袖を着てもいいのか、着る際のマナーや注意点を詳しくご紹介します。

「両家の顔合わせ」とは

「両家の顔合わせ」とは

結婚することが決まったら、「家族への報告はいつ」「両家の顔合わせは?」「結婚式はする?いつ、どんなかたちで?」など、決めなければならないことはたくさん。
そのなかでも大切なステップが、お互いの家族を紹介する場。伝統的な婚約式である「結納」を行う方もいらっしゃいますが、最近ではもう少しカジュアルに、両家の顔合わせを兼ねた食事会などを行うケースが増えています。「顔合わせって結納と、つまり同じ意味じゃないの?」と思われた方に、その違いについてご紹介します。

顔合わせと結納の違い

お食事会と共に行われる両家の顔合わせと違って、「結納」は、古来から伝わる日本の婚礼文化を伝える儀式です。
最も伝統的で格式の高い「正式結納」という形式では、両家の家族は顔を直接合わせません。仲人(なこうど)が、両家の間を行き来して、結納品や「受書」と呼ばれる文書のやり取りをします。

いまの時代に結納をされる場合、多く選ばれているのは「略式結納」です。
こちらは仲人あり・なしの両パターンがあり、どちらの場合でも、両家の家族が女性宅、またはホテル、料亭・レストランなどの会場で顔を合わせ、結納品の受け渡しを行います。

そして、最近増えているのが「略式結納」よりもさらに気軽な「顔合わせ」です。
ホテルや料亭などで、食事をしながら、お互いのご家族を紹介。親睦を深める会場なので、特に決まった形式はありません。会の進行などは新郎新婦おふたりで行われることが多いようです。

顔合わせで振袖を着ても良いの?

正式な形で行う結納では、結婚相手として紹介される女性は振袖を着るのがマナーの点からもベスト。略式の顔合わせであっても、着てみたいのであれば、ぜひ振袖を着ることをおすすめします。
その理由は、振袖は未婚女性のための正礼装(第一礼装)で、既婚者になった後は着る機会がなくなってしまうから。結婚式当日に着る場合を除けば、着用できる最後のチャンスになるので、迷った場合は、ぜひ着用することをご検討ください。

振袖は第一礼装

「未婚女性の正礼装」と聞くと、「振袖を着るのは大袈裟すぎない?」「自分だけ浮いてしまうと嫌」など、不安に思われる方もいらっしゃいます。しかし振袖は、そもそも未婚の女性がおめでたい場所に着るための衣裳ですから、心配する必要は何もありません。

振袖の選び方やマナー

春や秋など、着物を着るのにぴったりの季節や、重ね着で防寒対策ができる冬と違って、注意したいのが、暑さが厳しい夏です。
顔合わせを行うのが夏で、外を移動する予定のある方は、裏地のついていない「単衣(ひとえ)」に仕立てた着物の方が涼しいです。使われている生地も、夏に極力心地よく着られるよう、通気性の良いものが使われ、見た目も涼やか。季節感も演出できるので、ぜひチェックしてみてください。
また、下に着る襦袢を夏向きの素材にする手もあります。

外を歩いて移動しない場合や車移動で、ホテルや料亭・レストランなど空調の効いた会場内で着付けができるのなら、通常の振袖でも問題ありません。
おうちにある振袖、お母様から引き継いだ思い出の振袖など、着たい振袖がある場合は、それに合わせて移動や着付け場所をどうするか検討してみてください。 

華やかで華美すぎずふさわしい色柄を選ぶ

顔合わせはおめでたい席なので、その趣旨に沿った振袖選びをするのが基本です。
たとえば柄のない色無地に近い振袖を着ていく場合、黒の地が多いものは喪服をイメージされる可能性があるので、あまりおすすめできません。黒地の振袖でも、全体的に華やかな柄が描かれているものであれば、問題なく着用していただけます。

また、レンタルの振袖で自由に色や柄を選べるのなら、ピンクや白、クリーム色などの優しく淡い色、もしくは赤など、おめでたいイメージのある色がおすすめ。柄は縁起の良い吉祥文様など、上品な古典柄を選ぶと、きっと会場の雰囲気にもマッチするでしょう。
季節感を出したいなら、季節の花を少し先取りして選ぶのがポイント。せっかくの記念すべき日にどんなものを着たらいいのか、振袖選びに迷った場合はプロに相談してみるのも良いでしょう。

両家で衣裳の格をあわせる

顔合わせは両家で行うものですから、一方が正礼装で、もう一方がカジュアルな服装では具合が悪いものです。振袖を着用したい場合は特に忘れずに、そのことをお相手の家族にも伝えましょう。
女性が振袖を着用するなら、お父様やそのほかの男性の方はダークスーツか羽織袴、お母様や家族の女性は、留袖や訪問着、色無地などの着物か、洋装であればスーツかフォーマル感のあるワンピースなどが良いでしょう。

振袖に必要な小物の準備も

もし、おうちにある振袖、お母様から受け継いだ着物などを着る場合は、着用するのに必要な小物が全てそろっているか、使用できる状態であるかを必ずチェックしてください。
和装は着物だけでなく、草履、バッグ、帯揚げ、帯締め、帯、足袋、腰紐、伊達締め、帯枕、帯板などなど、省略できない小物が多く、また肌襦袢、裾よけ、長襦袢など、着物の下に着用する肌着類も必ず必要になります。

着物がおうちにあっても、着るのに必要な小物を全部用意するのは大変と思われる方は、振袖と一緒にフルセットの状態でレンタルできるショップを利用するのも一つの手です。
特に、帯や着用した時に表から見える小物類は、振袖と合わせたときの格のバランスを見極める知識やコーディネートのセンスが問われるため、着慣れない方は、プロに相談した方が安心です。

振袖を着た際の参加者の服装

結納や顔合わせでは、両家で服装の格を揃える必要があります。
女性が正礼装である振袖を着る場合、結婚相手となる男性や家族も服装に注意が必要です。

男性の正礼装は五つ紋の入った羽織袴になりますが、通常は洋装でスーツが一般的です。スーツを着る場合はブラックスーツかダークスーツで、白シャツか淡いカラーのシャツを合わせます。ネクタイは黒以外の色の派手すぎないものを選んでください。

父親の服装は結婚する男性同様、スーツが一般的です。
母親の服装は留袖や訪問着、色無地など、結婚する女性に合わせて和装にすると素敵です。洋装の場合はスーツかフォーマル感のあるワンピースがおすすめです。
あくまで結婚するふたりがをお祝いする席なので、主役より派手にならないように注意しましょう。

格式のある会場

振袖は未婚女性の正礼装なので、顔合わせをする会場がカジュアルなレストランだとしたら、どうしても周囲から浮いてしまいます。
顔合わせで振袖を着たい場合は、ホテルや料亭など、着物に似合う会場を選ぶようにすると良いでしょう。着物は着たいけれど会場に合わない、カジュアルダウンしたい場合は、振袖の中でも袖の短い「小振袖」を選ぶのも一つの手です。

振袖の手配方法

顔合わせで着る振袖を用意する場合、手配の方法は「手持ちの振袖を着る」「レンタルする」「購入する」の3つの選択肢があります。それぞれの特徴を理解して、ご自身に合った方法を選びましょう。

振袖を購入する

振袖一式を購入するのはとても値が張ります。また、振袖は未婚女性の着物ですから、結婚後にそのままの状態で着用するチャンスは基本的にありません。そのため、もし、顔合わせや結納のためだけに振袖一式を購入するなら、避けた方が良いでしょう。

生まれてくる娘さんに引き継ぎたいなどの特別な希望がある場合や、結婚式後は訪問着に仕立て直して長く着たいと考えている場合は、検討しても良いかもしれません。訪問着に仕立て直すつもりであれば、落ち着いた地色や柄の振袖を選ぶことをおすすめします。

手持ちの振袖を着用する

手持ちの振袖を着たいなら、先ほどご紹介した小物が一通りそろっているか、必ず確認をしてください。成人式で着用したままタンスにしまってあった振袖は、いったん陰干しをして湿気をとりつつ、虫食いや汚れが浮いてきていないか、チェックをすることをおすすめします。もし染み浮きなどを見つけたら、洗い張りと呼ばれる専門のクリーニングに出す必要があります。

着用する顔合わせの当日が近づいてきたら、再びタンスから出して、必要な小物一式をセットにして、忘れ物のないように準備をしておきましょう。

振袖をレンタルする

最近人気なのが、目的や会場に合わせた振袖が気軽に借りられるネットレンタルです。
事前のお手入れなどが一切不要ですし、着用に必要な小物が全てそろっているプランを選べば、当日忘れ物で慌てることもありません。よくわからない小物のコーディネートも、プロがふさしいものを選んでくれるプランなら、着物に詳しくない方も、マナーに外れていないか心配になることもないでしょう。

プランによっては小物が含まれず、別手配が必要だったりオプションになったりするケースもあります。フルセットのプランかどうか、申し込む前によく確認することをおすすめします。

レンタル・購入は時期に注意

振袖のレンタルショップは成人式シーズンのほか、大学や専門学校の卒業式シーズンに繁忙期を迎えます。それらのイベントに向けて振袖を選ぶ方が増える時期を選んでしまうと、選べる着物が限られてしまったり、混雑でゆっくり選べなかったりするデメリットが。たくさんの振袖がお店に返ってきている時期を狙って、希望の一着を選べるよう、ショップの繁忙期を避けて、早めに動くのがおすすめです。

着付けやヘアメイクは事前に要予約

振袖を着るなら、忘れてはいけないのが着付けとヘアメイクの手配です。
着物の着付けは、当日突然お願いしても対応はほとんど不可能で、必ず予約を取ってください。仕上がりの時間が早過ぎると気崩れの心配が発生し、逆にギリギリまでかかって振袖姿で走るなどの事態は避けたいもの。美容室に希望の仕上がり時間をきちんと伝えて、スタート時間を決めるのが安心です。

まとめ

京都の老舗・ワタベウェディングが運営するレンタル着物のサイト「youRSTYLE」では、おめでたい顔合わせの場にぴったりの上質な振袖を取りそろえています。お気に入りの一着を選んだら、それに合わせて専属のプロが小物をコーディネート、必要な一式をフルセットにしてお届け。会場に直接送ることも、会場から直接返送することもできますので、当日は手ぶらで移動が可能です。

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