訪問着
#選び方 #マナー #着こなし
2023.06.16

訪問着とはどんな着物?他の着物との違いや着こなしのポイントを詳しく解説

フォーマル用として、また観劇やお茶席・お呼ばれの席などさまざまなシーンで既婚・未婚を問わず着用でき、とても便利で重宝する訪問着。ここでは、訪問着とはどんな特徴の着物か、着用シーンに応じた選び方や着こなし方などをご紹介します。

訪問着とは

「訪問着」という言葉を聞くと、お出かけの着物?なんだか普段着のような印象を受けてしまいそうですが、実はフォーマルシーンでも着用できる着物です。年齢はもちろん、既婚・未婚を問わず着ることができ、フォーマルからカジュアルまで幅広く活用できます。
色はもちろん柄のタイプも多種多様で、着る人の年代、、立場や会場に合わせてアレンジを楽しめる着物です。

訪問着の歴史と他の着物との違い

訪問着の歴史は、他の着物に比べれば最近のことで、大正時代から始まります。

日常的には洋装を選ぶ人が増え、着物が“お出かけ着”になり始めていた当時、「留袖ほどかしこまらない、お出かけ用の着物が欲しい!」という声に応えて誕生。「訪問着」の名前通り、訪問先にも失礼のない便利な着物として、たちまち大人気になりました。

訪問着の格は「略礼装」です。女性の着物の中で最高位の正礼装(第一礼装)にあたるのは、黒留袖と、五つ紋が入る色留袖。その次の格「準礼装」にあたる三つ紋や一つ紋の色留袖より、もう一つ下の格です。それでも、結婚式やフォーマルな場で着られる礼装には違いなく、そのほかにも活用範囲が広いのが特徴です。

訪問着と色留袖

着物ビギナーにとって区別がつきにくいのが、訪問着と「留袖」。黒以外の「色留袖」は、一見すると訪問着とよく似ています。どちらも脇の縫い目で途切れることのない一続きの絵柄が入っていますが、見分ける方法はシンプル。上半身から全体に絵柄が入っているのが訪問着で、裾だけ模様が入っているのが留袖です。

訪問着を広げると、肩から胸、袖、裾にかけて、大きな一枚絵のように美しくつながる「絵羽模様」(えばもよう)が施されています。一方で留袖の絵柄は、上半身だけ見ると紋が入っている以外は無地の状態。結婚式などで着席した時、上半身に柄があるのが訪問着、柄がないのが留袖だと考えるとわかりやすいでしょう。

訪問着と付け下げ

もうひとつ混乱しがちなのが、訪問着と「付け下げ」という着物です。こちらは、贅沢品が禁止された戦時中に訪問着の代わりに登場したのが付下げです。
そのために付け下げは、訪問着よりも控えめ。帯との組み合わせも、あえて格を落とし、結婚式ではなくお子様の入学式や七五三など、主役を引き立てたい場で着られることが多い着物です。

訪問着のような華やかさを抑えるため、「絵羽模様」から簡略化して縫い目で模様がいったん途切れるのが、付け下げの特徴です。ただし、最近では柄が多様化してきて、訪問着か付け下げのどちらなのか、着物のプロでも判断に迷うような着物もなかにはあります。

紋あり・なし

幅広いシーンで着用できる訪問着ですが、それぞれの場所にふさわしい着物かどうかを簡単に見分けるためには、紋の有無に注目してみてください。紋が入っている訪問着は、紋なしの訪問着より確実に格が高くなります。
紋入りの訪問着は、背中の真ん中に一つだけ紋が入っているものが多く、親族や友人の結婚式で着ることができます。
親族も、訪問着を着ることができますが、ただし新郎新婦のお母様は正礼装(第一礼装)が求められる立場のため、基本的には黒留袖を。色留袖も場合によっては着用が可能です。

結婚式で訪問着を着たい場合は、どの立場で参列することになるのか、そこにふさわしい着物かどうかを必ずチェックしてみてください。

着用シーン別の「訪問着の色や柄」の違い

結婚式からお宮参り、七五三に卒入学式、さらにはお茶席や観劇まで、さまざまなシーンで着用できる訪問着ですが、それぞれのシーンにふさわしい着物のマナーはあります。

ポイントになるのは、色と柄。具体的な着用シーンについて、簡単にご紹介しましょう。

結婚式・披露宴のフォーマルシーン

結婚式や披露宴といったフォーマルなお祝いの席には、地色が白と黒以外の、明るく華やかな色を選びましょう。白は花嫁の色、黒は主役にも近い親族の方が多く着る正礼装の「黒留袖」とかぶるのを避けるためです。

柄は、お祝いの気持ちを込めて、おめでたいモチーフを選ぶのがおすすめです。着物の柄には幸せを願う気持ちを込めた「吉祥文様」というものがあります。梅・蘭・竹・菊の4種類の花が描かれた「四君子」や、おめでたいモチーフとして有名な「松竹梅」や、「鶴亀」などです。繁盛や開運をイメージする末広がりの扇柄も吉祥柄です。
受け継がれてきた着物の柄にはそれぞれ、いろいろな意味が込められています。その意味を知り、主役のおふたりへの願いを込めて着物を選んでみるのもまた楽しいことです。

子どもが主役の入学式・卒業式等のセレモニーシーン

入学式や卒業式、七五三にも訪問着はぴったりですが、ふさわしい着物を選ぶポイントは、あくまでも子どもが主役であることを忘れないこと。付き添いの保護者は、主張しすぎない色や柄を選ぶのがベターです。
地色は淡く、全体的に上品で落ち着いた雰囲気のものが好まれます。

卒園式や卒業式で着られる訪問着には桜の柄もよく見られます。桜の柄には、春という季節から転じて「物事の始まり」という意味があり、一年を通して着ることができます。七五三など春以外の季節でも、桜以外の四季の花が一緒に描かれているものを選べば大丈夫です。

お茶席・お呼ばれの席などのカジュアルシーン

お茶席や観劇、お呼ばれの席など、カジュアルシーンで着るのなら、紋なしでも問題ありません。モダンな柄や遊び心のある小物を組み合わせて、自分らしいコーディネートを楽しんでみてください。

季節に合わせた花柄を選ぶのも素敵ですが、その場合は「先取り」が粋。実際に花が咲く1カ月くらい前から、花が咲く直前くらいまでの時期に着るのが着物のおしゃれです。

着用シーン別の「訪問着の帯」の違い

正礼装として着用する留袖に合わせる帯は「袋帯」の一択。略礼装である訪問着には、袋帯のほかにも「丸帯」「名古屋帯」の3種類から、着用シーンで選ぶことができます。
帯もそれぞれに格の違いがあり、基本は着物の格に合ったものを選びます。使われている金銀の量や模様の種類によっても変わってきますが、一般的に、丸帯→袋帯→名古屋帯の順に格が高いものです。

丸帯とは、裏表に柄が入っており重厚感のある帯。袋帯の方が主流になったため、最近ではあまり見かけなくなりましたが、フォーマル専用の帯です。

結婚式などで留袖と合わせられる袋帯は、裏に無地の生地、表に模様が入る二枚仕立てになっており、柄によって、フォーマルはもちろんカジュアルにも着用可能です。

名古屋帯は、袋帯よりも、ややカジュアル。着用シーンに合わせた柄を選ぶことが大切です。

結婚式・披露宴のフォーマルシーン

結婚式や披露宴など、礼装としての着物に合わせる帯は、丸帯や袋帯。訪問着に合わせる場合でも、錦糸が多く使われた豪華で品のあるデザインがぴったりです。

子どもが主役の入学式・卒業式のセレモニーシーン

帯の選び方は基本的には結婚式などのフォーマルシーンと同じですが、少し控えめに、豪華になりすぎない方が上品です。着物に合わせて、白色やクリーム色などの柔らかい地色でシンプルな柄がおすすめです。

お茶席・お呼ばれの席などのカジュアルシーン

比較的カジュアルな場所に着ていくのであれば、あまり細かい事は気にせずに、コーディネートを楽しんでください。
袋帯や、名古屋帯でも、着物に合う上品なもので派手にしすぎないのが上手にまとめるコツ。会場がホテルなどの華やかな場所であれば、金・銀の糸が使われた豪華な織りの帯も素敵です。

訪問着の着こなし方・合わせる小物

着物の印象は、帯だけでなくバッグや草履、帯揚げや帯留めなどの小物によっても雰囲気が変わります。着用シーンに合わせて選ぶことが大切です。

たとえば結婚式であれば、金や銀の糸が入った格の高いものがおすすめ。一方で、お茶席など比較的カジュアルなシーンなら、着物に合わせて好きな色や柄を選び、コーディネートを楽しんでください。

訪問着を自分で着ることはできる?

着物がお好きであれば、自分で着てみたい!と思われる方も多いかもしれません。訪問着であれば、それほど難しくはないので、着付けを習って練習してみるのもおすすめです。比較的カジュアルな場など、自分で着られるようになったら、着付けの費用を節約することができるでしょう。

式場や美容室でプロに着付けてもらう

結婚式や披露宴など、格式の高い場所で着るのなら、経験豊富なプロに着付けをお願いするのが安心です。ホテルや大きな式場には美容室や着付けのためのスペースがあり、着付け料金は大体1万円前後。合わせてヘアセットやメイクもお願いするならプラス5000円程度です。

最近では、出張着付けに来てくれるプロも、ネットやアプリで探せるようになりました。
卒業式や入学式など、自宅で着て会場に向かいたい場合や、七五三など一緒にお子様の着付けもあるとき等に便利です。コストも抑えられることが多いので、ご興味があれば調べてみてください。

まとめ

フォーマルからカジュアルまで、幅広いシーンで着用できる訪問着は、着物の楽しさを存分に体験できる着物です。
ワタベウェディングが運営するyouRSTYLEでも、特に結婚式やお祝いなどのフォーマルシーンにぴったりの、上質な訪問着を多彩に取りそろえています。気軽にネットから探したお気に入りの一着を着ることで、楽しい思い出の時間がさらに特別なものになることでしょう。

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