訪問着
#選び方 #マナー #着こなし
2024.01.17

小紋と訪問着の違いとは?格式の違いや見分けるポイントをご紹介

小紋と訪問着は着物の格による違いがあります。着物の格がフォーマルかカジュアルかを把握していないと、場違いな装いをしてしまうことも考えられます。この記事では、正しい用途など着物に関する知っておきたい知識を詳しく解説します。

小紋と訪問着の違い

小紋と訪問着の違い

着物の場合、洋服と比べるとかたちに大きな違いはありませんが種類の違いがあり、色や柄、素材や仕立て方によっても、着用に適したシーンが変わります。

着物の種類ごとに「格」が決まっていて、フォーマルやセミフォーマルとして着る礼装用の着物から、普段のお出かけ・おしゃれ着としてのカジュアルな着物まで、さまざまな格が存在します。この格を正しく把握しておかないと、カジュアルなワンピースでフォーマルな場に列席するのが失礼なのと同じように、場違いな装いになってしまうのです。

初心者にとっては見分けが難しい「小紋」と「訪問着」を比べると、同じように全身に柄が入る着物でも、普段着と礼装(セミフォーマル)という格の違いがあります。
簡単に見分けるポイントは、着物に描かれている柄の入り方と、柄自体も訪問着と小紋では違ってきます。

小紋と訪問着の格式の違い

女性用の着物の中で、一番格が高いのは、既婚女性の正礼装(第一礼装)である「黒留袖」。次に既婚・未婚問わず正礼装として着用できる「色留袖」と未婚女性の正礼装である「振袖」が続き、その次にくるのが「準礼装」の訪問着です。

訪問着は紋が入ると格が高くなり着用シーンも変わってきますが、一般的には紋の入らない準礼装の着物として、親族ではなく友人として列席する結婚式や披露宴、祝賀会などのパーティ、お見合い・結納など、あらたまった場で。さらに、お子様の入園・入学式、卒園・卒業式のほか、お宮参りや七五三など、幅広いシーンで着用できる着物です。

一方、小紋はもっとカジュアルなシーン。観劇やショッピングなどのお出かけ、お食事会やカジュアルなパーティ、お茶会やお稽古などにも、おしゃれ着として着ることができます。

紋付きの江戸小紋なら、訪問着とほぼ同格

小紋にもいくつかの種類があり、「江戸小紋」で、紋が背中に一つ入った「一つ紋」であれば、訪問着と同じようにフォーマルシーンで着用することができます。

江戸小紋とは、「裃(かみしも)小紋」と呼ばれる江戸時代の武士のための着物から発展したもの。
各藩で定められた柄を模様にした裃を身に付けたのが始まりとされ、本来の柄以外にも生活道具や縁起物などを合わせた柄が、女性用の着物に描かれるようになりました。
紀州・徳川家の「鮫」、仙台・伊達家の「行儀」、信濃・戸田家の「角通し」の柄は、特に格式高い「裃三役」として知られ、これらの柄の小紋で一つ紋の着物に袋帯を締めれば略礼装として着用が可能です。訪問着とほぼ同格に位置します。

小紋と訪問着の見分け方のポイント

どちらの着物も全身に柄が入っていますが、見分けるには、裾や袖の縫い目部分に注目してみてください。縫い目でも柄が途切れず、縫い目をまたいで一枚絵のような「絵羽模様」が描かれていたら、訪問着です。
小紋の方は、反物の状態で柄を染めたものを仕立ててつくるため、縫い目で柄や線のつなぎ目が途切れています。この違いが分かりやすいので、まず縫い目部分を見てください。

使われている文様の格の違い

着物に描かれている柄でも、小紋と訪問着では格の違いがわかります。
格の高い訪問着は、金糸や銀糸、金箔刺繍などが多用され、華やかな仕上がり。描かれる文様も吉祥文様や、正倉院文様、有職紋など、格式の高い伝統的なものが主流です。
一方、小紋の方は、同じ模様が連続して描かれるパターンのデザインが多いのが特徴。華やかな印象の着物もありますが、訪問着と比べると比較的落ち着いた雰囲気の着物が多いといえるでしょう。

販売時の形状の違い

さらに、呉服店などの店頭で売られている時の状態に大きな違いがあります。
絵羽模様の美しさやデザイン性が重要な訪問着は、柄合わせをして着物の形に仕立て、広げて飾られている場合が多いでしょう。
一方で、小紋は仕立てられる前の「反物」(たんもの)の状態なのが普通です。専用の什器(じゅうき)にかけて展示されていることもあります。

フォーマルな場では訪問着

伝統的な式典にスニーカーで列席するのは場違いに感じられるのと同じように、いくらお気に入りの着物であっても、格としてふさわしくないものをフォーマルな場で着用するのはマナー違反です。
結婚式や披露宴などのフォーマルな場所では、礼装用の着物を選ぶことが何よりも大切。準礼装などの格が必要とされるなら、訪問着を選ぶのが無難といえます。

カジュアルな場では小紋を

洋服で考えてみると、フォーマルなワンピースで同窓会など比較的カジュアルなパーティに出席したら、それは場違いに感じるでしょう。和装でも同じで、カジュアルシーンには、お出かけ着物・おしゃれ着の格に当たる着物、小紋の方を選ぶのがおすすめです。

まとめ

まとめ

普段から着物を着る方は、小紋も訪問着もご存知と思われますが、そうではない方にとって着物を着るタイミングは、お呼ばれの結婚式や披露宴、あるいはお子様の七五三や入学式・卒業式など特別な日ではないでしょうか。
そんな晴れやかな場所にふさわしいのは訪問着。同じように柄が全身に入る着物でも、小紋を着ていくのは場違いになってしまいます。

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