成人式の貸衣裳|相場やメリット、レンタル時の注意点とは?

振袖は成人式や卒業式などの日本の伝統的な行事で着用される美しい着物です。今回は、振袖の貸衣裳の相場やメリット、レンタル時の注意点について解説します。特別な日を一生の思い出に残すために、素敵な振袖を手軽にレンタルしてみてはいかがでしょうか。
振袖をレンタルする場合の相場は?

二十歳の記念に振袖を一式誂えることも以前は珍しい話ではありませんでしたが、いまでは着物を着ること自体が減っています。成人式で着る振袖はレンタルで、というご家庭の方が多いです。
振袖を購入する場合の相場は30万〜40万円程度から。有名作家が手掛ける高級振袖であれば一式トータルで100万円以上になることもあります。
これに対し、振袖のレンタルは、必要な和装小物がセットになった一般的なプランで4万円程度から。成人式振袖の専門店であれば、一般的な相場は一式30万円前後と思った方がいいでしょう。
なぜ相場に差があるの?
同じ振袖と呼ばれる着物なのに、どうしてこんなに大きく金額が違うのでしょうか。このレンタル料金は、店舗によって適当につけているわけではなく、そうなる確固とした理由があります。
1. 品質の差
レンタルの価格には、元々の着物の価格が大きく影響します。
最近ではリーズナブルな化学繊維の振袖も増えていますが、見た目の上質さはもちろん、手触りや着心地などは、シルク100%の本物の正絹生地で仕立てた振袖には及びません。また、柄が機械のプリントなのか、職人の手による染めなのか、刺繍や絞り、金彩加工など、プロの職人が手間と愛情をかけてつくる振袖は、素人目にもはっきりと違いが分かる、豪華で華やかな着物です。
上質な生地を使い、熟練の職人が手掛ける着物、高級ブランドや人気作家、特に人間国宝と呼ばれるような一流作家の手による振袖は、店舗が仕入れる際に大きなコストがかかっています。
さらに、化学繊維の着物に比べると正絹の着物は、着用後のクリーニングやお手入れ、収納場所や保管環境にも配慮が必要で、レンタル価格にもそのコストが反映され、高価なものになりがちです。
2. 仕立ての違い
振袖のレンタルには、既に仕立て上がっている着物を借りる場合と、反物から自分の体型に合わせて仕立てたものをレンタルできるオーダーレンタル、さらに反物を染め上げるところからオーダーするお誂え品レンタルの3パターンがあります。
それぞれ購入するよりはレンタルの方が安価に着用できますが、オーダーレンタルや誂え品のレンタルになると、購入するのと金額的にそれほど変わらず、一般的な仕立て上がりの振袖を借りるよりずっと高額になります。
振袖をレンタルすることのメリットとは

成人式の振袖をレンタルするメリットを、購入する場合と比較して整理してみましょう。
購入よりも費用を抑えられる
コストをおさえて着用できるのが、レンタルの大きなメリットです。
一般的には成人式以外で振袖を着用できる機会はそう多くないため、高額な費用をかけて購入するよりも、必要なときにレンタルする方がコストパフォーマンスが良いと感じる人が多いようです。
保管場所に困らない
正絹の着物は高温多湿の場所を避けて、専用の桐タンスや、着物用の衣裳ケースに保管するのが望ましいとされます。そのためには保管する場所の確保が必要になりますが、いまは桐タンスのある家庭も減っているので、着物を購入するなら着用後どうするかも考えておく必要があります。
レンタルであれば返却してしまうので、大きな桐タンスや衣裳ケースの用意が不要なのは大きなメリットといえるでしょう。
お手入れが不要
正絹の着物は、化学繊維の着物や洋服のように気軽に自宅で洗うことはできません。
汗などをかかない季節に短時間着用した程度なら、数日間陰干しをして、そのまま仕舞うこともできますが、その後、長期間着用する予定がない場合、久々に出してみたら、黄色いシミが浮き出しているというようなことも珍しくありません。
高価な振袖などの着物は着用後、呉服店や専門店などから「洗い張り」という専用のクリーニングに出すのが普通です。振袖の洗い張りの価格相場は、1万〜3万円前後。さらに、自宅で保管するには防虫剤や除湿剤などを用意して定期的にそれらを交換する手間が発生します。
レンタルの場合、そんな手間や保管のためのコストがかからないほか、クリーニングも不要。着用後そのまま返却が可能なプランも選べるのが魅力です。
着用の機会ごとに違う振袖が着られる
振袖を購入すると、成人式以外も、友人の結婚式へのお呼ばれのときなどに、未婚の間は着用することができます。その場合、同じ振袖を着ることになりますが、購入してから数年先のことになるため、違う感じの着物が着てみたいと考える方にとっては不向きでしょう。
レンタルであれば、その時々で場に合った新しい振袖を着ることや、流行を取り入れた着こなしを楽しむこともできます。
振袖をレンタルする時の注意点とは

振袖のレンタルプランは、ショップによってさまざまな違いがあります。
必要な和装小物はフルセットになっていることが多いですが、なかには小物は追加オプションだったり、自分で別途購入手配が必要になったりする場合もあります。
レンタルプランに何がどこまで含まれているのか、小物の点数と種類なども確認し、比較検討して決めるのがおすすめです。
成人式当日だけでなく、前撮りや卒業式でのレンタルも、プラン内容に含まれているケースがあります。さらに、着付け・ヘアメイクなどが頼めるプランも。
レンタルプランは、着物の色柄だけではなくプラン内容をしっかり把握して、比較検討しながら選ぶことをおすすめします。
振袖の受け渡し方法、キャンセルについて
レンタルの場合、着物を実店舗に引き取りに行く場合もありますが、指定した場所に配送できるサービスがあることが多く、これがとても便利です。
また、予約後に万が一予定が変わったりした場合、どのタイミングなら料金がかからずにキャンセルできるのか、必ず確認してください。レンタルでもそれなりの費用がかかるので、申し込むのはキャンセル規定に目を通してからにしましょう。
まとめ
昔ながらの貸衣裳を実店舗で試着してから借りるスタイルから、スマホやPCでたくさんの衣裳を見比べながら手軽に探せるネットレンタルまで、振袖のレンタル方法も変わってきています。決して失敗したくない一生に一度の大切な晴れ着は、それぞれのメリットとデメリットを理解し、しっかりと情報収集と比較検討をしてから選んでみてください。